こんなときは? ~病気・ケガ

病気・ケガ

自己負担と健康保険での範囲

自己負担について

70歳未満の自己負担

医療機関の窓口でマイナ保険証を提示すれば、入院・外来にかかわらず、被保険者(本人)・被扶養者(家族)ともに3割の自己負担で治療が受けられます。(但し、小学校就学前の乳幼児は2割負担です。) また入院中の食事代・差額ベッド代・おむつ代等は含まれません。

70~74歳の医療について

食事療養標準負担額

入院時の食事療養については、療養の給付とは別に入院時食事療養費が支給されます。入院時食事療養費の額は、入院時に受けた食事療養に係る費用について、入院患者の食事療養標準負担額1日3食を限度に1食につき460円(市区町村民税非課税世帯は100~210円)を超えたとき、その額を超えた額が支給されます。なお、65歳以上75歳未満の高齢者が療養病床に入院した場合は生活療養標準負担額をご参照ください

区分 1食あたりの負担額
令和6年5月31日以前 令和6年6月1日以降
一般 460円 490円
市区町村民税
非課税世帯
低所得者Ⅱ
(※1)
210円
(91日以降160円)
230円
(91日以降180円)
低所得者Ⅰ
(※2)

(※1)低所得者Ⅱとは、低所得者Ⅰに該当しない市区町村民税非課税である被保険者と被扶養者
(※2)低所得者Ⅰとは、被保険者および被扶養者すべてが、収入から必要経費・控除額を引いた後の所得がない場合の被保険者とその被扶養者(収入が年金のみで単独世帯の場合、約80万円以下)
※負担額は被保険者・被扶養者とも同額です。
※食事療養標準負担額を超える分は入院時食事療養費として健康保険組合が負担しています。
(医療機関より自動的に当健康保険組合に請求が来ますので、手続き等は必要ありません)
※特別メニューを利用する場合、その分の追加料金は自己負担になります。
※負担した食事の費用(食事療養標準負担額)は高額療養費の支給対象になりません。

生活療養標準負担額

65歳以上75歳未満の方が「療養病床」に入院した場合は、食費(食事材料費、調理コスト相当)の負担と、居住費(光熱水費相当額)の負担が必要になります。
※「療養病床」とは、慢性的な病気で長期入院するためのベッドのことをいいます。

区分 令和6年5月31日以前 令和6年6月1日以降
食費(1食) 居住費
(1日)
食費(1食) 居住費
(1日)
課税世帯 一般 460円(420円)
※1
370円 490円(450円)
※2
370円
難病患者等※3 260円 0円 280円 0円
低所得者Ⅱ(住民税非課税世帯) 210円 370円 230円 370円
低所得者Ⅰ(年金収入80万円以下) 130円 370円 140円 370円

※1 管理栄養士等を配置していない保険医療機関に入院している場合は420円です。
※2 管理栄養士等を配置していない保険医療機関に入院している場合は450円です。
※3 難病患者とは、難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年法律第50号)第5条第1項に規定する指定難病の患者

健康保険での範囲について

病気やケガをしたときは、次の範囲まで健康保険でかかることができます。

(1)診療・治療

病気やケガを治療するために必要な診察。 (医師の診察については、必要があれば健康保険で往診してもらうこともできますが、往診車のガソリン代、タクシー代などは、患者が負担することになっています。)

(2)薬剤の支給

病気やケガを治療するために必要な薬剤の支給。
(厚生労働省の認める「薬価基準」に収載されている薬はすべて健康保険で受けられます。)

(3)治療のための用具

ガーゼ、包帯、眼帯などの治療に必要な用具を「治療材料」といいますが、これらはすべて健康保険が使えます。

(4)処置、手術その他の治療

精神療法、療養の指導なども含めて、すべて健康保険で受けられますが、厚生労働省で認められていない特殊な治療などは健康保険で受けられません。

(5)在宅療養・看護

居宅での療養上の管理や療養に伴う世話その他の看護費用についても、健康保険で受けられます。

(6)入院

入院中の食事(標準負担額は自己負担)は健康保険で受けられます。個室や特別室等の一般室ではない病室などの場合は、患者の負担が必要なことがあります。

次のような場合は健康保険ではかかれません。

(1)健康保険の範囲に入っていないもの

病気やケガを治すために必要な医療は、原則として、すべて健康保険で受けることができますが、医療に直接関わらないものや、健康保険で認められていない薬や治療、必要以上のサービスなどは、健康保険の給付の対象になりません。

(2)病気・ケガとはいえないもの

・単なる疲労回復のための処置
・美容整形
・近眼の手術
・正常な妊娠・出産
・予防接種
・健康診断
・経済的理由による妊娠中絶など

(3)仕事上での病気・ケガ

業務上や通勤途上での病気・ケガは健康保険の給付対象外です。その際の医療費は労働保険から給付されることになります。業務上・通勤途上であったかどうかの認定は労働基準監督署が行います。詳しくは、労働基準監督署へお問合せください。

業務上や通勤途上での病気・ケガについて

労働基準監督署

(4)犯罪やけんか、酔っ払いなどによる病気・ケガ

次のようなときは、健康保険からの保険給付が一部制限されたり、全くなされないこともあります。
・故意の犯罪・事故
・けんか、酔っ払い、麻薬中毒による事故
・医師の診断や健康保険組合の指示に正当な理由がなく従わなかったとき
・詐欺などの不正行為によって保険給付を受けようとしたとき
・被保険者が刑務所や少年院にいるとき

(5)介護保険の給付を受けられるとき

介護保険により療養型病床群などに入院している場合などには、原則として健康保険の給付は受けられません。ただし、※急性期医療が必要な場合は受けられます。
※急性期医療とは、病気の発症から回復期や亜急性期まで移行するまでの期間における医療を指します。

保険外併用療養費

わが国の医療保険制度では、原則として保険診療と自由診療(保険外診療)は同時に受けられないことになっています。自由診療が一部でもあると、その他の部分も含めて全額自己負担となります。 ただし、厚生労働大臣の定める先進医療や特定の保険外サービスについては、患者の同意を要件として、保険診療との併用が認められています。当該技術やサービスにかかる料金については100%自費負担、それ以外の通常の診療については保険診療(3割負担)で受けることができます。 この、保険が適用される分を「保険外併用療養費」といい、自費部分を「評価療養」「選定療養」といいます。通常の受診と同じように医療機関の窓口に保険証を提出して受診します。

評価療養

保険適用前の先進医療や新薬など、将来的な保険適用を前提としつつ、保険適用の可否について「評価中の療養」のこと

医療技術に係るもの 先進医療(※)
医薬品・医療機器に係るもの 医薬品の治験に係る診療
薬事法承認後で保険収載前の医薬品の使用
薬事法承認後で保険収載前の医療機器の使用
適応外の医薬品の使用
適応外の医療機器の使用

※厚生労働省が科学的評価を行って、一定の有効性及び安全性が認められるとした技術。実施は、個別技術ごとに厚生労働省が定めた要件を満たした医療機関に限られます。具体的技術及び医療機関については、厚生労働省のホームページでご確認になれます。                    

厚生労働省のホームページ

選定療養

個室の病室や、予約診療、紹介状なしの大病院受診、保険で認められている内容以上の医療行為など、患者本人が希望して受ける「特別な療養」のこと。

快適性・利便性に係るもの 特別の療養環境(差額ベッド)
予約診療
時間外診察
医療機関の選択に係るもの 大病院の初診
大病院の再診
医療行為等の選択に係るもの 制限回数を超える医療行為
180日以上の入院
歯科の金合金等
金属床総義歯
小児う蝕の指導管理

歯の治療

歯の治療は、虫歯の治療から入れ歯まで、ほとんどの治療は健康保険で受けられます。 ただし、歯の治療に健康保険で使える材料は決まっていて、それ以外の材料を患者が希望したときは、次の3つのケースのように自費負担になることがあります。

(1)
前歯の一部または総入れ歯については、健康保険で使える材料との「材料差額」を患者が自費負担する。(健康保険から保険外併用療養費を受ける)
(2)
人工歯根など先進医療を受けたときは、先進医療部分を自費負担する。(健康保険から保険外併用療養費を受ける)
(3)
修復のための材料費、技術料とも全額自費負担する。(自由診療)

歯並びの矯正などは健康保険で受けられません

健康診断、歯並びの矯正(唇顎口蓋裂が原因の矯正は健康保険で受けられます)などは、健康保険で受けられません。 なお、虫歯の数が少ない13歳未満の小児が、虫歯治療後に引き続いて医学的管理を受ける場合には、虫歯予防処置の特別料金を患者が自費負担すれば、虫歯治療部分は健康保険で受けられます(健康保険から保険外併用療養費を受ける)。